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METARの解読

METARとは、定時飛行場実況気象通報式のことで航空気象情報を通報するものです。

航空従事者であるパイロット・管制官・運航管理者が気象状況を把握するために使用します。

METAR(SPECIも含む)は1.通報の種類 2.地点略号 3.観測日時 4.風向・風速 5.卓越視程 6.滑走路視距離 7.現在天気 8.雲 9.気温・露点温度 10.高度計規正値(QNH) 11.過去の天気 12.ウィンドシアー情報などで構成されています。

目次

通報の種類

METARとSPECIの識別府により通報の種類が示されます。
・METAR : 定時観測
 毎時0分が基本ですが、毎時0分と30分の空港もあり
・SPECI : 定時観測以外で気象条件に重要な変化がある場合

地点略号

地点略号は4レターで記載されます。

観測日時

日付は2桁で表記され、続いて時刻をUTCにZを付加して表記されます。
UTCは世界標準時刻で、日本の場合は9時間引いた時刻が世界標準時刻となります。
例:日本時間 10:00 = 世界標準時間 01:00

風向・風速

真方位による風向が10度に丸めて3桁で表示されます。滑走路から高さ10メートルを代表する風の水平成分を観測します。風速は観測時刻前10分間の平均値を2桁で表記されKT(ノット)がつけられます。

卓越視程

卓越視程は、地平面の全方向の視程を観測したときに、半分の180度またはそれ以上の範囲に共通した最大水平視程が記載されます。
・10km以上の場合は【9999】、10km未満の場合は4桁で表示されます。
 単位はメートルです。(米国系ではマイル表記)

滑走路視距離

滑走路視距離(RVR):滑走路中心線上にある航空灯火を見ることができる距離。
滑走路面から高さ約2.5メートルにおいて観測されます。基本的にはILSにて着陸する際に使用される側に設置されています。ILS CATⅢを実施できる空港には滑走路の両端と中央の3か所に設置されています。
Rに続いて滑走路番号/4桁の数字で表記されます。

現在天気

現在天気は運航上重要な天気現象を略語により表記されます。
a) 強度・周辺現象
ー    弱(LIGHT)
(記号無) 並(MODERATE)
+    強(HEAVY)
VC    空港周辺8kmから16kmの間での現象(VICINITY)

b) 特性
MI 地(SHALLOW)
BC 散財(PATCHES)
PR 部分(PARTIAL)
DR 低い(LOW DRIFTING
BL 高い(BLOWING)
SH しゅう雨性(SHOWER)
TS 雷電(THUNDERSTORM)
FZ 着氷性(FREEZING)


d) 視程障害現象
BR もや(MIST)
FG 霧(FOG)
FU 煙(SMOKE)
VA 火山灰(VOLCANIC ASH)
DU じん(DUST)
SA 砂(SAND)
HZ 煙霧(HAZE)

e) その他の現象
PO じん旋風(DUST/SAND WHIRLS)
SQ スコール(SQUALL)
FC ろうと雲・竜巻(FUNNEL CLOUD/TORNADO)
SS 砂じん嵐(SANDSTORM)
DS 砂じん嵐(DUSTSTORM)

雲は雲量・雲底の高さ・雲形の順に表示されます。
雲量は、雲によって覆われた部分の全天空に対する割合から表示されます。
FEW(FEW)  : 1/8~2/8
SCT(SCATTERED) : 3/8~4/8
BKN(BROKEN)  : 5/8~7/8
OVC(OVERCAST)  : 8/8

雲底の高さはフィート単位で表示されます。不明か観測できない場合は///で表記されます。

気温・露点温度

摂氏による気温と露点温度は1度単位の2桁で表示されます。0度未満の場合はMの後に続いて2桁で表示されます。

高度計規正値(QNH)

本文ではQに続いてヘクトパスカル値が表示されます。
記事ではAに続いてインチ値が表示されます。

過去の天気

過去に空港で発生していた、観測時点ではない並(MODERATE)もしくは強(HEAVY)の霧雨・雨・雪・凍雨・霧雪・ひょう・氷あられ・雪あられ・みぞれ・高い地吹雪、着氷性の降水・砂塵嵐・雷電・火山灰・ろうと雲をREのあとに続いて天気略語により表示される。

低層ウィンドシアー情報

パイロットよりウィンドシアーの情報提供があった場合に表示される。
進入域から離陸域の高度でWSにつづいて表示される。

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この記事を書いた人

飛行機が大好きな社畜サラリーマン
資産運用に目覚めてこつこつと実践中です
そんな社畜が投資とうどん県に関することをぼやいています
極稀に飛行機のお話もします

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